病んだヨギーの日々(2021年4月27日現在)

就職してしまったヨギーの雑記

今月23日より(多分)沖縄にてカボチャ栽培のバイトします

今日の晩飯時、同じ寮にて同居しているミャンマー人が、明らかに何らかの腐臭を放つ何かを鍋で料理していました。甘ったるいような酸っぱいようなその臭いは、以前のバイト先であった乗馬クラブにて馬糞を積み上げて堆肥にしている時の臭いに似ていました。大量の馬の排泄物の山から漂う臭気と大量の小蠅が飛ぶ様を思い出させてくれました。この臭いが開け放った台所のドアを抜けて渡り廊下まで漂ってくるので参ってしまった午後7時でした。

 

ところで、ここでのバイトが今月の20日までであって、延長は絶賛ノーサンキューなんで、次のバイト先をどこにしようかと考えていた最近でしたが、今日新天地が決まりました。沖縄の南大東島という所でカボチャとサトウキビの栽培を手伝います。冬でも気温が15度ほどあるそうで、寒さから逃げたい自分にはちょうど良いところです。本当は東北の方で考えていましたが、最近体が寒さに強い拒絶反応を示しているので、この時期は外すことにしました。とりあえず、温かい島で農業をするということです。

 

南大東島という、南だか東だかわからない島は、沖縄本島から東に400km離れており、電話で話したバイト先の担当者の話では、沖縄から船に乗ってこいとのことでした。沖縄にはまだ行ったことがないので、バイトが始まる前にちょっとだけ観光的なこともしようかと考えてます。というわけで、沖縄で21日か22日暇してる方、相手してくださるとうれしいです。

 

そういえば、念のため今日の作業について書いておきます。今日は午前中は雑草むしりで午後はネギ剥きでした。午前中の作業がつらくてなんか自ら進んで奴隷になった気分でした。昨日雨がふったので畑は水が溜まり沼地のようになっており、それを見て「え、ここ入ってって雑草むしるの?頭おかしいんじゃない?」と思いましたが、社員さんが皆「よーし行くかー」という雰囲気だったので、諦めて長靴をはいてざぶざぶ畑に入っていき、雑草をむしり続けました。雑草は所定の場所に捨てないといけないので、大きめのビニール袋を持っていってそれに雑草を回収していくんですが、雑草の根が泥の固まりをがっちりつかんでしまってかなりの重さになり、引きずるようにしてビニール袋を運ぶことになりました。さらに、途中から雨が降り出し、「もう帰っていいんじゃない?」と期待しましたが誰も何も言わず黙々と作業を続けるので自分も黙って作業を続けました。風も出てきたし寒くてかなわないと思いながらも、働くことの恐ろしさで、そんな中耐えて雑草をむしり続けました。やっと午前中の作業が終って昼休みになったとき、仕事場で弁当を食べようとしましたが指がかじかんで思うように動かず、子供みたいな箸の持ち方で食べていました。日々農業の厳しさを感じる...というか、ほんとにさっさともっと楽にできるようにならないかなーと切に願ってます。

 

以上

休みの日なのに雨の中わざわざ出勤して五分で帰った話

今日は香川県観音寺市は朝から雨でした。冬+雨+自転車出勤=つらい。ポンチョを持ってきてますが、靴と手は無防備です。手がぬれるといつの間にか上着の袖もぬれていたりします。これが微妙な寒さとうっとうしさをもたらし続け、ボディーブローのように効いてきます。この表現は結構いろんなとこで使われてる気がしますが、実際にボディーブロー食らった人なんてほとんどいないんじゃないでしょうか。僕は食らったことありません。

 

雨の中でしたが、ちゃんと定刻前に出勤しました。が、出勤して二分経ったところで中間管理職的な立ち位置の社員さん(中国人)が到着したので、「おはようございます」と挨拶したら、「エ?アナタ今日休ミヨー」と返されました。「え?」と思い、一瞬の内に昨日の記憶を探る。いや、絶対昨日、今日が休みなんて言われてない、と確信した上で、「そうなんですか?昨日なんもいわれてませんよ?」と聞き返しましたが、今日は僕は本当に休みらしく、「ゴッメーン」と軽く謝られてそのまま帰ることに。時間にして出勤後五分の出来事でした。

 

この職場でも、前の乗馬クラブでもそうでしたが、会社は毎日作業があり、全員休むという日は殆どありません。なので、各人別々に休日を与えられます。僕は聞いてませんでしたが、僕の休みは基本的に毎週日曜日だそうです。それを先に言っとけよーと思いましたが、黙って帰宅。雨なので最寄りのBookoff(自転車で30分くらい)に行く気にもなりません。とりあえずテレビを見ることにしました。思えばこうやってのんびりテレビをみるのは何年ぶりのことだったので、結構楽しみました。サンデーモーニングでトランプ次期大統領や各国の極右政党のことが話題になってました。今年はどんな年になるやらですね。

 

テレビを見る以外には本を読んで食って寝るしかしない一日でしたが、休日らしいといえば休日らしい一日でした。朝の職場までの往復でそれなりに運動もしたし。なんか風邪気味っぽかったのでちょうどいいタイミングでこんなにぐだーっとすることができて良かったのではないかと自分では思ってます。なんでも前向きに考えれるので自分は健全みたいです。ただ、このブログの名前が「ヨギーニートの日々」なんですが、ヨガもあんましなくなったしニートかどうかも危うくなってるし、どうしようかってのが考えものです。今年の3月までは安住の地はないので仕方ないですね。

 

以上

農業の社会的意味と個人的苦痛

今日は朝からニンニク畑の雑草取り。早朝の気温はマイナス一度だったそうです。そんな中作業開始。風がないのがせめてもの救い。にんにくの苗にも雑草にも霜の溶けた水分が付着しており、気づけば上着のそでがびっしょり。なんかこう、湿った衣類を身につけているときのいやーな感じを抱きながらも、果てしなく続くニンニク畑の畝に挑み続けました。昨日からかかっている畝なんですが、昨日の内に終らず、今日に持ち越しとなりましたが、朝から二時間かけてやっと終りました。その後も別のにんにく畑に向かい、再び草むしり。一日中ネギを向いていた日々が懐かしくなってます。

 

かすかに香るニンニクの臭いを嗅ぎながら、ふと心に浮かんでくることがありました。「これを何年と続けるのは無理だな」ということです。なんだよ雑草むしりって。なんで雑草こんなに生えてくるんだよ。おかしいだろ。そんめちゃくちゃなことを心の中で思いながらひたすら手を動かす。まあ楽しくないですよね。人によってペースが違うので、他の社員さんとは話せる距離にないし。ちょっと離れたところでミャンマー人が歌ってるのが聞こえるし。

 

言わずもがな、農業は社会にとって重要です。食糧を十分な量、安定して供給できるから、他のことに時間を割けるようになっている訳です。だと思います。自分で食糧を生産しなくても、お金を出せば買うことが出来る。だから安心して他の仕事に従事できると。だから農業が社会的に持つ意味ってすごい大きいじゃん、とずっと思っていまして、農業以外の仕事にはあまり重要性を感じてなかった自分なんですが、農業やってると他の仕事がうらやましく思えてくるのです。

 

まあ農業が重要な産業ということは間違いないと思うんですが、色々愉快じゃない作業が多いです。いや仕事はそういうもんだ、という声をどこかで聞いたような気がするんですが、今まではそれでよかったかも知れませんが、こう世の中が豊かになってくると、農業以外にも仕事はいくらでもあって、農業より楽しい、楽、なものも多いはずです。こうなったら農業なんてわざわざしようとは思わないでしょう。でも誰も農業しなくなったら問題です。食糧は必要です。だから誰かがトムソーヤーみたく、農業したい!と人に思わせる何かをしないといけません。

 

それには、「えーこんなことすんの?めんどくせえー」と思う僕のような人がもちょっと増えてくれたらいいんじゃないかと思います。めんどくさい、だからもっと楽に出来るようにしよう。そういう発想で農業がもっと楽なものになったら、農業やってみよう、と思う人が増えるでしょうし、もっといい仕事になるのでは。色んな人がアイデアを出して、色んなノウハウを使って、色々変えてくれたらと思います。すべてはしゃがみすぎて足首が痛むなんてことがなくなるように。ヨーロッパの農業が進んでるそうなんで、調べてみたいと思います。

 

以上

新年になって気づいたこと:農業ってつらい

新年始まってから寝正月状態だったブログですが、そろそろ再開しようと思います。今年に入ってから、農園バイトでの作業がちょっとハードなものになってきてつらいと感じている最近です。去年はネギ剥きで一日が終るということが続いていましたが、一月は定植という作業や雑草むしりが多く、寒風吹きすさぶ中、畑にしゃがみこんで作業をするという寒さと疲労のダブルパンチです。休憩時間も畑の中で行うんですが、風が強いと休憩のときもむしろ冷えのせいで体力消耗するというありさまです。今日は朝二時間だけネギ剥きをして、その後はずっとにんにく畑の雑草むしりでした。昼過ぎまでは日があたって温かいんですが、午後四時頃から急激に寒くなり始めます。しかも畑が広い広い。むしってもむしっても終わりが見えない中、寒さに耐えて作業を続ける。しゃがんだ姿勢で何時間もいるので、膝、腰が疲れます。

 

数年前、僕の親戚の一人がこんなことを言ってました。「農家なんてきつくて絶対継ぎたくなかった。やっとのことで家を出て農業以外の仕事をみつけた。農業なんてもうしたくない」。これを聞いたとき、僕は「そんなに農業ってきついのか?」と思ってましたが、実際にやってみるとよくわかりました。作業は重いものを運んだりってのあまりはないんですが、しゃがみ込んでの作業が多くてこれがきついです。冬は寒さがこたい、夏は夏で暑苦しいんでしょう。職場の社員さんは夏の定植作業で体重が五キロ減って今も戻ってないそうです。この上、怒鳴らないと仕事を教えれない上司が控えてたらチェックメイトでしょう。あの親戚のことばはまぎれもない真実だったと言えます。

 

ニンニクの苗に気をつけながら雑草をむしりとりながら、寒さと膝、腰のだるさに耐えて考え事をしてると、こんな作業を子供のころから経験してたらスーツを着て立派な建物を持った会社や役所で働くことにかなりのあこがれを持つようになるんだろうなーというところに行きつきました。そういう会社員や公務員でもいざなってみるとつらいと思うことが予想したより多いかもしれませんが。

 

しゃがんでの作業が連日あるので、畑仕事がつらいのは大方がしゃがんでの作業だからだと思ってます。これが、室内で立ったままできたらどれだけ身体的にましになるだろうと思います。過去百年の間にかなり色々な技術が誕生してきたので、ここらで農業の宿命とされてきたこのつらいしゃがむ作業にも終止符が打たれないだろうか、と一人願望を膨らましてます。

 

まあ、作業が大変なのは規模がでかいからってことも関係あるんでしょう。収穫量が多くないと収入も少なくなるので。結構な数の農家が外国人の研修生や労働者を雇って成り立ってるそうですが、キツい作業に日本人の労働者は集まらないんでしょう。僕も今の給料でこの仕事は続けれません。農作業を楽にしながら収入も上がる、そんな変化が必要だと感じる新年六日目です。

 

以上

地元にて:大阪王将で餃子定食を食べながら「あーみんなもっと楽しそうに働けないのかなー」と考えてる年末

昨日の夕方五時頃、高知に到着しました。香川県観音寺市から路線高速バスで約一時間。いつもは東京から夜行で帰ってるので見れないんですが、今回は高速道路を走りながら雄大な自然を楽しむことが出来ました。ほんとに山だらけですね高知県。四国の中でも山で他の三県から隔離されてます。でもこのおかげで、大和言葉が多く残ってるそうで、土佐弁は日本の伝統的な言葉に結構近いそうです。水資源も豊富で、早明浦ダムは徳島、香川、愛媛にも大量の水を供給しているそうです。

 

そんな自然あふれる高知県は好きなんですが、毎年実家に帰るかどうかってなると帰りたくねーって思ってます。実家によらないでいれるなら高知に戻ってくるのは楽しみなんですが、宿泊費に回せる金の余裕もないしそれもできないという現実があります。そういう訳で、ほぼ十年にわたって続いているコミュニケーション断絶状態の実家に戻ることになります。戻る目的は家族に会うというより、祖父母に会うため、と言っていいです。まあここのところの家族事情についてはここまでにしときます。

 

では本題。今回は荷物も少ないし、高知駅から歩いて実家まで行けると思って歩いてたら、やっぱ以外と遠くて、「三十分歩いてやっと高知球場かー」って感じだったので(ここから実家までその後40分程かかりました)、一旦休憩がてら晩飯にしようと、近くで手頃な飯屋を探す。このあたりは最近色々な企業が進出してて、セブンイレブン、浜寿司、大阪王将などが通り添いに並ぶようになってます。そう、数年前にはセブンイレブンなんて高知にはなかったんです。それがついにここにも...。まあ全然使わないんですけどね。とりあえず大阪王将で食うか、と決めて入店。僕は基本ベジタリアンなんですが、自炊できる環境にないときは柔軟に対処してます。どうせどこ行っても肉使ってんだろ、と日本の食品業界にちょっと不満はありますが、とりあえずうまいからってことで妥協。

 

そして注文。餃子定食。感想。うまかった。満腹になった。たまにはこういうのもいいよね。と、おおむね満足してたんですが、カウンター席から見えるバイトの表情がどうも残念でした。そのときホールにいたバイトは三人でしたが、その中の一人が明らかに「もう辞めてえー」って顔してたのです。いや、辞めたいかどうかはわかりませんが、なんというか「もう疲れたよちくしょー」、「やってられるか」といった苦渋の表情でした。要は楽しくなさそうだったってことです。

 

僕も乗馬クラブとか農園とかで働いてて、馬糞を手押し車一杯に積んで全力でバランス取りながら進んでるときに怒鳴られたり、長時間しゃがんだ状態で雑草むしっててもう別の生き物になるってくらい腰がいたくなった時とかに「くそったれがー!」と思いながら働いてた瞬間はありました。だからなおのこと、楽しく働きたいと思うし、他の人にも楽しく働いて欲しいと思ってるしだいです。つらい作業をしながら体が疲弊しているだけでなく、「だりいー」「こんちくしょうがー」と思いながら心も疲弊してると、その仕事が苦役みたくなってしまい、多分人格がネガティブな方向に向かってくんじゃないかと思うからです。僕の場合、同僚との雑談とかでなんとか楽しみを見いだしてます。良好な人間関係があればきつい作業の助けになります。

 

大阪王将にて、そんな事を考えながらちょうど最後の唐揚げに箸をかけてました(餃子定食は、おかずが餃子12個と唐揚げ二個というボリュームでびっくりしました)。どんな仕事も、なかなか自分が思った通りのものではないでしょう。でも、どんな仕事でも楽しみながらやってけるはずですし、その方が誰にとっても得なはず。特に接客業なんかは、働いてる人が楽しそうだと客もなんとなくいい気分になるんじゃないかと思います。インドとかで飯屋に行くと、もうウェイターが机の上に腰掛けてたりやたら話しかけてきたりとルールなしなんですが、彼ら彼女らは楽しく働いてるようです。こっちの方が飯食ってても、ただ飯食っただけじゃない楽しみがありあます。たまに「うぜえな」と思うこともありますが、慣れたらその愚痴にも漫才のつっこみのような寛容さがこもってきます。

 

という訳で、いつか地方のチェーン店のバイトでも楽しく働けるようになってほしいなーと思って過ごす新年三日前の夜でした。

 

以上

農業のバイトには色んな人が来る

最近バイト先の同僚と作業中に仲良く話しながら、単調な作業のつらさを多少なりとも軽減しています。今日もそんな風に話してると、僕より前にこの農園にバイトで働きにきた人たちの話を聞きました。ボラバイトバイト応募することはとにかくハードルが低い!ので、普通に就職とかして仕事が見つからなかったり、ちょっと問題があってなかなか仕事が見つからなかった人なんかがよく利用するようです。しかし、応募から採用まではインターネット上での簡単な手続きと電話面接という二つだけなんですが、いざ働くとなると人によってはかなりつらいと感じるのでしょう。僕がボラバイトで行ったバイト先二つのどちらでも、一晩で夜逃げしたボラバイターの話を聞きました。他にも、やや奇行が見られる人、コミュニケーションがうまくとれない人、など、いろいろな人が来るそうです。

 

今日聞いたのは、一晩でいなくなった二人と、「四つん這いおじさん」なる人物の話。夜逃げの二人の一人は、かなりの巨漢で、本気でこの農園で社員として働くとまで言ってたそうなんですが、初日の定植という作業(苗を植える作業。多分)がつらくて翌朝帰らぬ人となったそうです。せっかくここでの生活に使う道具一式と新品の自転車を買ってからの脱走だったそうです。初日の決意は初日が終る前についえました。もう一人は、社員、バイト、研修生が住むことの出来る寮にネット環境がないと初日に知って次の日にいなくなってたそうです。もしかしてブロガーだったんじゃないかなー?と、ちょっとその気持ちがわからないでもないです。農業バイト+アルファの収入を考えていたが計算が狂った、といったところでしょうか。そして「四つん這いおじさん」。最初聞いたときは僕もなんのことやらと思いましたが、ちょっとおかしな言動や行動が見られた方だったそうで、ちょっと離れた畑まで軽トラで行くときに、その荷台に乗ってもらって「揺れるからしがみついといてください」と言ったところ、荷台に四つん這いになってしがみついていた、という伝説を残したおじさんです。軽トラ三台で畑に向かったそうですが、このおじさんの様子をすぐ後ろの軽トラに乗ってた社員さんが目撃し、移動中終止爆笑だったとのこと。

 

また、一昨日から見学希望の方が一人来てましたが、この方もなかなかのくせ者で、寮のドアの開け閉めの音が以上にうるさい。そして、走ってる訳じゃないんだけども足音がかなりうるさい。同じことを何回注意してもなおらない。おかげで、最も簡単なネギ剥きの作業もろくに進まないという方でした。恐ろしく雑な性格というか、人のことを考えたりする能力が未発達のような方でした。この人のおかげで、寮に住んでいる社員さんがマジ切れ寸前でした。

 

とまあ、入り口が広いことで有象無象の人材が集まってしまうボラバイトです。僕は自分でかなり仕事に向いてない人間だと思ってましたが、上には上がいたってことですね。でもまあ、そんな人たちにも働くチャンスを与えるってのも事実で、今の社員さんの中にも、大学中退してぶらぶらしててなんとかしようとここで働きだして、今もまじめに働いているかたもいます。かくいう僕も、中期のインターンを初日から「だるい」という感情一つだけで勝手に辞め、昼休み終わりの白昼堂々オフィスから抜け出して自宅に帰ったりしてますから、こういうところでも働けるってのはありがたいことなのかもしれません。とまあ、いろんな事情の人が集う混沌とした職場があるってことですね。

 

以上

ネギの仕分け

今僕がバイトで働いている農園では、出荷されるネギは三種類にわけられます。一番上等な秀品、折れてたり曲がってたりして秀品からワンランク下がったアカシア、折れ曲がって割けてしまったりちぎれたりしてるA品。なんで一番格下がA品と呼ばれるのかは謎ですが、とりあえず出荷されるネギはこういう風に位付けされてます。

 

で、毎日ネギを剥く作業をしながらネギを品質別にわけていくんですが、中には「これは秀品か?アカシアか?」というようなものがあったりします。最近は風が強くてネギがまっすぐ育たず、曲がってしまってることが多いんですが、どれくらい曲がったら秀品からアカシアに降格するのか、という基準がよくわかりません。「これは明らかにアカシアだな」とわかることが殆どですが、さっきはアカシアにしたけど今度は秀品にしちゃった、という、気分しだいでどっちにでもなる曲がり具合のもあります。

 

また、「これはきれいに剥くの難しいな」という秀品コースのネギなどは、時間がかかるからわざと根元を折ってA品送りにしてさっさと片付けるという、ネギ剥きの邪道もあります。そういう魂胆がなくても、細いネギとかだとつい折ってしまうこともあります。逆に、なんとかして割けている葉をうまく剥きとってA品コースのネギを秀品に昇格させるという起死回生技もあります。

 

農園としては、高く売れる秀品の数が多くてアカシア、A品の数が少ない方がいいです。でも自然相手だからそうもいきません。とはいえ、A品ばかりだと輸送費や段ボール代などに対する売上が減るので、なんとかA品やアカシアを少なくしたいという心理が働きます。バイトの身分なんでそんなこと気にしなくてもいいんですが、どうもアカシアか秀品か、というネギを秀品にしてしまう傾向がある気がしてます。バイトの僕でさえこんな感じなので、中立的な判断をするって以外と出来てないもんなんだなーと、振り返ってみたときに思いました。お客さんとしては、他よりは高いお金で買うんだからそれだけの良いネギを売ってくて、と思うでしょう。自分が払った金額に見合わない商品を売られた、と思ったら信頼が薄れます。自分や自分の所属する企業の利益を追求する中で、お客さんが離れていくことがビジネスの失敗なんだろうなーと、ネギを剥きながら考えてました。ネギって深い。いやそんなこともないです。

 

以上